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述懷十首(一首不足)
いざさらば盛思ふもほどもあらじはこやが嶺の春にむつれて
山深く心はかねておくりてき身こそうき身を出でやらねども
月にいかで昔の事をかたらせて影にそひつゝ立ちもはなれむ
うき世とし思はでも身の過ぎにけり月の影にもなづさはりつゝ
雲につきてうかれのみ行く心をば山にかけてをとめむとぞ思ふ
捨てゝ後はまぎれし方は覺えぬを心のみをばよにあらせける
ちりつかでゆがめる道を直くなしてゆく/\人をよにつかむとや
はとしまんと思ひも見えぬよにしあれば末にさこそは大幣の空
ふりにける心こそなほ哀なれおよばぬ身にも世をおもはする
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