University of Virginia Library

そのかみ心ざし仕うまつりけるならひに世を遁れて後も賀茂に參りけり年高くなりて四國の方修行しけるに又歸りまゐらぬ事もやとて仁安二年十月十日の夜參りて幣まゐらせけり内へもまゐらぬ事なればたなうの社に取りつぎて參らせ給へとて心ざしけるに木の間の月ほの%\と常よりも神さび哀におぼえて詠みける

かしこまるしでに涙のかゝるかなまたいつかはと思ふ心に