University of Virginia Library

みちのくにへ修行してまかりけるに白川の關にとまりて所がらにや常よりも月おもしろく哀にて能因が秋風ぞふくと申しけむをりいつなりけむと思ひ出でられて名殘おほくおぼえければ關屋の柱に書きつけける

しらかはの關屋をつきのもるかげは人の心をとむるなりけり