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雪十首
しがらきの杣のおほぢはとゞめてよはつ雪ふりぬむその山人
いそがずば雪にわが身や留められて山邊の里に春をまたまし
あはれ知りてたれかわけ來む山里の雪ふりうづむ庭のゆふ暮
湊川とまに雪ふくともぶねはむやひつゝこそ夜をあかしけれ
筏士のなみのしづむと見えつるは雪をつみつゝ下すなりけり
たまりをる梢のゆきの春ならば山ざといかにもてなされまし
大原はせれうを雪の道にあけてよもには人もかよはざりけり
晴れやらで二むら山に立つ雲は比良の吹雪の名殘なりけり
雪しのぐ庵のつまをさしそへてあととめてこむ人をとゞめむ
くやしくも雪のみ山へわけいらで麓にのみもとしをつみける
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