續千載和歌集 (Shoku senzai wakashu) | ||
19. 續千載和歌集十九
哀傷歌
後京極攝政前太政大臣
題志らず
法皇御製
百首の歌めされしついでに
覺仁法親王
題志らず
修明門院大貳
後鳥羽院かくれさせ給うける時御月忌始賀茂の祭の日にあたり侍りければ通忠卿の母の許に申しつかはしける
右近大將通忠母
返し
圓光院入道前關白太政大臣
右大臣于時權大納言のもとへ權大納言冬基さうぶの根を送り侍りける事を身まかりて後傳へ聞きて次の年の五月五日ねにそへてつかはしける
右大臣
返し
大納言師氏
題志らず
新院御製
永福門院内侍
前僧正道性
龜山院の御事を思ひ出でゝ
慈道法親王
平惟貞
都へのぼりて侍りける時平宗宣朝臣にあひともなひて都に侍りしことを思ひ出でゝよみ侍りける
昭慶門院一條
伏見院かくれさせ給ひにける秋龜山院の御事を思ひ出でゝよみ侍りける
太政大臣
前大納言爲氏身まかりて後十三年にあたりける時誦經のさゝげ物をおくるとて
前大納言爲世
返し
讀人志らず
身まかりける人の歌をかきあつめて人の許へつかはすとて
伏見院御製
龜山院かくれさせ給うて後昭訓門院御ぐしおろさせ給ひける時入道前太政大臣のもとにつかはされける
式部卿久明親王
伏見院かくれさせ給ひにける時人のもとへつかはしける
後鳥羽院下野
前中納言定家身まかりて後前大納言爲家嵯峨の家に住み侍りける頃申しつかはしける
前大納言爲家
返し
おなじ頃法印覺寛、思ひやる袂までこそしをれけれ秋のさが野のしげき夕露と申して侍りければ
新宰相
伏見院かくれさせ給ひにける秋の暮によみ侍りける
前權僧正教範
安嘉門院かくれさせ給ひにける時長月の頃いたく時雨のふりければ
法印定爲
前大納言爲氏身まかりて長月の頃ひとめぐりにあたり侍りけるに津守國助おとづれて侍りける返事に
前大納言爲氏
京極院、御こと侍りて四十九日、九月盡日にて侍りけるに御佛事の間よみて御堂のうしろどにさしおかせける
賀茂遠久
母身まかりて後よみける
法印行深
入道一品親王源性かくれ侍りにける秋の頃前大僧正禪助に申しつかはしける
平宗宣朝臣
平貞時朝臣身まかりて後鹿の鳴くをきゝて
山本入道前太政大臣
藻壁門院少將身罷りて後、人の夢に見えて、あるかひも今はなぎさの友千鳥くちぬその名の跡や殘らむとよみ侍りける歌の心を辨内侍人々にすゝめてよませ侍りけるに
藤原業尹
西行法師が庵室にて寄花思故人といふことを
前參議雅有
左近中將定長身まかりにける頃思ひ出づる事ありて前大納言長雅のもとに申しつかはしける
源信明朝臣
朱雀院かくれさせ給うての頃
讀人志らず
人におくれてよみ侍りける
太宰大貳重家
俊惠法師、母身まかり侍りにける時、申しつかはしける
俊惠法師
返し
前僧正道性
なき人を夢にみて
前大納言良教
題しらず
前大僧正源惠
從三位氏久
智道上人身まかりけるよしきゝて
平貞房
平貞朝の母身まかりける時よめる
源兼胤朝臣
後近衛關白前右大臣身まかりて後人のもとへ申しつかはしける
慈寛法師
題志らず
大江宗秀
うせにける人を夢にみて
權僧正憲淳
題志らず
津守國冬
母の思ひに侍りける頃父にもおくれ侍りにしことを思ひ出でゝよめる
權僧正覺圓
無常の歌とて
權大僧都忠性
なき人を思ひ出でゝ
平氏村
平時常身まかりて後常にかきかはしける文のうらに經をかきて人の許よりおくられにければ
法印憲基
從一位貞子身まかりける骨を高野山に送り侍るとて道にてよみ侍りける
法印覺守
後二條院御忌の程に人々十首の歌よみ侍りけるに
式乾門院御匣
題志らず
式部卿久明親王
三條入道内大臣の女身まかりにける頃
高階宗成朝臣
近衛關白身まかりにける事をなげきて
蓬生法師
藤原經綱が妻身まかりて後夢に六字の名號を上におきて歌をよみてとぶらへと見え侍りけるとて人々にすゝめければよみてつかはしける中に
前大僧正道昭
弟子におくれて歎き侍りける頃、無常の心を
藤原重綱
平貞時朝臣身まかりける時人のとぶらひ侍りける返事に
讀人志らず
頼みて侍りける人の娘身まかりて侍りけるに色をば許しながら出家をばとゞめけれども思ひにたへずさまをかへて侍りけるに人のもとより衣をおくりて侍りける返事に
藤原基任
觀意法師身まかりて後服ぬぎ侍るとてよめる
左大臣
母の身まかりにける時思ひの外に服を着侍らざりければ
常磐井入道前太政大臣
後高倉院御はての日よみ侍りける
行胤法師妹
贈從三位爲子まかりて五七日の佛事に經を送りけるつゝみ紙にかきつけ侍りける
昭訓門院春日
返し
藤原宗秀
爲道朝臣の十三年の佛事いとなみて侍りけるついでに、懷舊の心を
平時仲
平時村朝臣身まかりて後十三年の佛事などいとなみ侍りける時思ひつゞけ侍りける
前僧正道性
龜山院十三年の御佛事の頃、母の十三年、同じ年月にあたりける人のもとへ申しつかはしける
前參議雅有
藤原雅行身まかりて後叙位に加階し侍りけるよし都より人の申して侍りければ
續千載和歌集 (Shoku senzai wakashu) | ||