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續千載和歌集卷第五 秋歌下
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5. 續千載和歌集卷第五
秋歌下

大納言經信

月不撰處といへる心を

久方の空にかゝれる秋の月いづれの里もかゞみとぞ見る

鎌倉右大臣

題志らず

月見ればころも手さむし更科やをばすて山の峯のあき風

入道前太政大臣

嘉元の百首の歌奉りし時、月

つく%\と詠むるからに身に志むは月より秋の風や吹く覽

民部卿實教

物おもふ人のためとや秋の月うきを忘るゝ影を見すらむ

前大僧正實承

月の歌の中に

いつ迄か友と見るべき老らくの身の行末は月ぞ知るらむ

讀人志らず

なれて見る同じ光の月のみや六十ぢの秋の友となるらむ

法皇御製

百首の歌めされしついでに

老が世に秋の心もはれにけり六十ぢ近づく山の端のつき

前内大臣

前大納言爲世玉津島の社にて歌合し侍りし時、月

仕へつゝ見るぞかひある影靡く我身五十ぢの秋の夜の月

民部卿資宣女

題志らず

古へにすみこしまゝの影ならば月は幾世の秋を知るらむ

後久我太政大臣

ふりにける宿は昔の名殘にて月もかはらぬ影ぞひさしき

參議雅經

建保四年後鳥羽院に百首の歌奉りける時

秋の夜の月に幾度ながめして物思ふことの身に積るらむ

殷富門院大輔

百首の歌の中に

世の中の憂きにつけても詠むれば月を喞つになりぬべき哉

藻壁門院但馬

藤原光俊朝臣よませ侍りける十首の歌の中に

行く末をいかにせとよて今年又月見る袖のぬれ増るらむ

民部卿實教

題志らず

秋をへてやどりなれぬる我が袖の月は涙も厭はざりけり

前僧正公朝

いかばかり月見る人に厭はれむよそまで曇る涙なりせば

平時遠

人とはぬ深山の秋の寂しさを堪へてもすめる夜はの月哉

津守國道

長き夜は雲のいづくも明けやらで露にぞ宿る野邊の月影

少將内侍

百首の歌奉りし時

置く露の最ど深草里はあれて月のすむ野となりにける哉

皇太后宮大夫俊成女

月の歌の中に

尋ねても忘れぬ月の影ぞとふよもぎが庭の露のふかさを

皇后宮

秋萩の花野の露にかげとめて月もうつろふ色やかふらむ

藤原光俊朝臣

木の葉ふく秋風さむみ足曳の山邊にひとり月を見るかな

建中納言公雄

露霜の染めぬ色さへまさりけりかつらの里の秋の夜の月

前大納言爲家

建長元年九月十三夜鳥羽殿の五首の歌に、水郷月

さとの名もあらはに志るし長月の月の桂の秋のこよひは

源有長朝臣

仁治二年九月十三夜左大臣の家の十三首の歌の中に、月前雲

月影の遠ざかり行く山の端に殘るともなきよそのうき雲

藻壁門院少將

河月を

みむろ山峯にや雲の晴れぬらむ神なび河に月ぞさやけき

前中納言定家

殷富門院にて人々百首の歌よみ侍りける時、月の歌とてよみ侍りける

となせ河玉ちる瀬々の月を見て心ぞ秋にうつり果てぬる

平維貞

河月を

大井河こほりも秋は岩こえて月にながるゝ水の志らなみ

前關白太政大臣

嘉元の百首の歌奉りし時

風わたるにほのみづうみ空晴れて月影きよしおきつ島山

前大納言爲氏

從二位行家人々にすゝめ侍りける時住吉の社の十首歌合に、江上月

住の江の松の秋風おとづれて空にふけ行く夜半の月かげ

西園寺入道前太政大臣

寛元元年長月の頃、住江にまかりて翫明月といふ事をよみ侍りける

住吉の松も我が身もふりにけり哀れとおもへ秋の夜の月

前右兵衛督爲教

建治三年九月十三夜五首の歌に、江月

曇りなき影もかはらず昔見しまゝの入江の秋の夜のつき

寂惠法師

秋の歌の中に

老いぬれば昔ばかりもながめぬを心かはると月や思はむ

平泰時朝臣

もろこしの波路分け行く舟人は心のこらぬ月や見るらむ

權中納言爲藤

百首の歌奉りし時

すむ月の影さしそへて入江こぐあしわけ小舟秋風ぞふく

後二條院御製

江月といへる心を

ほに出づる荻の上風うちそよぎ入江夜さむにすめる月影

中務卿宗尊親王

百首の歌の中に、月

更け行けば松風さむし大伴の三津のとまりの秋の夜の月

前中納言定家

道助法親王の家の五十首の歌に、船中月

知らざりき秋の汐路をこぐ舟はいか計なる月を見るらむ

法印定爲

百首の歌奉りし時

わたつ海のかざしの浪も白妙に月もてみがく秋の浦かぜ

丹波忠守朝臣

左大臣の家の詩歌合に、月前眺望

明石がた浪の千里の末晴れて月はかぎりも見えぬ空かな

權大納言冬教

題志らず

伊勢の海や汐瀬遙かに雲晴れて月にぞかゝる秋のうら浪

津守國助

山階入道左大臣の家の十首の歌に、島月

浪かくる小島の苫や秋をへてあるじも知らず月や澄む覽

觀意法師

故郷月といへる事を

故郷とおもふばかりぞ難波がた昔にかはる月のかげかは

前大納言爲氏

住吉の社に奉りける十首の歌の中に、海邊月

難波がた浦よりをちの月かげに浪もへだてぬ淡路島やま

入道二品親王道助

家の五十首の歌よみ侍りけるに、山家月を

訪ふ人も嵐ふきそふ深山べに木の葉わけ來る秋の夜の月

承鎭法親王

題志らず

秋ふかきとこの山風身にしみて月かげさむき夜はの手枕

法印長舜

前大納言爲世よませ侍りし歌に、故郷月といふ事をよみ侍りける

あれにけり我が故郷の苔の庵見しよの儘に月はすめども

法印定爲

嘉元の百首の歌奉りし時、月

たきすさむ烟や殘る秋の田の鹿火屋が上にかすむ月かげ

慈道法親王

今上、位につかせおましまして後、護持僧に加はりて二間にまゐりてよみ侍りける

人よりもまづこそ見つれ九重の雲居にすめるよひの月影

春宮權大夫有忠

禁中月といふ事を

今ははや近き守になれし身もよそにみはしの雲の上の月

正三位爲實

二品法親王の家の五十首の歌に、竹間月

さゝ竹の大宮人はとひもこで葉分の月をひとりこそ見れ

式部卿久明親王

月の歌の中に

武藤野や入るべき峰の遠ければ空にひさしき秋の夜の月

前大僧正仁澄

秋の夜の月はいづくとわかね共我住む山の影ぞさやけき

鎌倉右大臣

さゞ波や比良の山風さ夜更けて月影さむし志賀のから崎

津守國助

河風に有明の月を待ち出でゝ寐ぬ夜ふけぬる宇治の橋姫

爲道朝臣

永仁二年八月十五夜十首の歌講ぜられし時、山月聞鐘といふ事を

更けゆけば鐘の響もあらし山そらに聞えてすめる月かな

大藏卿隆博

題志らず

明けやらぬ鐘の響はほのかにて初瀬の檜原月ぞかたぶく

大炊御門太政大臣女

鐘の音に寐ざめて見れば曉の窓にぞ月はかたぶきにける

前大納言俊光

百首の歌奉りし時

長き夜もしばしと思ふうたゝねの枕の上に月ぞかたぶく

前大納言爲世

明石がた沖にかたぶく月影に雲こそなけれ波ぞかゝれる

素暹法師

海上月を

山の端のみえぬ計りぞ渡つ海の波にも月は傾ぶきにけり

惠慶法師

月の入るを見て

月の入る山のあなたの里人とこよひ計は身をやなさまし

藤原實方朝臣

題志らず

雲懸る峰だに遠き物ならば入る夜の月はのどけからまし

後鳥羽院御製

袖のうへになれてもかなし奥山の松の葉わけの有明の月

爲道朝臣

いかゞせむ長き習の秋の夜も月をし見れば明くる易さを

藤原景綱

あかず見て明くる名殘の惜しければ月にもつらき鳥の聲哉

源順

草村虫といふ事を

草村のそこまで月の照せばや鳴く虫の音の隱れざるらむ

大藏卿隆博

建治三年九月十三夜五首の歌に、野虫

哀れとは何れをわきて秋の野に多かる虫の聲をきかまし

前攝政左大臣

題志らず

此の暮と頼むるひともなき宿にその事となく松虫ぞなく

昭訓門院春日

百首の歌奉りし時

更て社つらきも見えめ松虫のくるゝよりなど音には立つ覽

從二位家隆

前大納言爲家の家の百首の歌に

草の原くるゝ夜ごとの秋風に人をや頼むまつむしのこゑ

神祇伯顯仲

夕虫をよみ侍りける

夕されば蓬がねやのきり%\す枕のしたにこゑぞ聞ゆる

前大納言爲家

弘長の百首の歌奉りける時、虫

きり%\す思ふ心をいかにとも互に知らでなき明すかな

今上御製

聞虫といへる心を

露ふかき夜さむの秋のきり%\す草の枕に恨みてぞ鳴く

民部卿實教

題志らず

心とやなきよわるらむきり%\すおのが涙の露の夜寒に

春宮大夫公賢

いとゞ又虫や恨むる淺茅原おきそふ霜の夜さむかさねて

藤原基任

前大納言爲世よませ侍りし三首の歌に、叢虫

霜むすぶ淺茅が原の蟋蟀かればともにと音をや鳴くらむ

讀人志らず

題志らず

色かはる淺茅が末葉露ちりて虫の音さむく秋かぜぞ吹く

後九條内大臣

弘安の百首の歌奉りける時

淺茅生の霜夜の虫も聲すみて荒れたる庭ぞ月はさびしき

土御門内大臣

故郷虫を

虫の音はかはらぬ秋の恨にてすみ捨てゝける淺茅生の宿

左大臣

百首の歌奉りし時

下葉ちる小野の萩原吹くかぜに床あれぬとや鶉なくらむ

皇太后宮大夫俊成女

寳治の百首の歌奉りけるに、秋田

小山田の庵もる賤のあきの袖宿かる露ぞおきあかしける

爲道朝臣

田家擣衣を

夜寒なるかりほの露のいねがてに山田をもると衣うつ聲

光明峯寺入道前攝政左大臣

家の七百首の歌合し侍りけるに、風前擣衣

衣うつきぬたの音も高圓の山の木の葉にあきかぜぞ吹く

法印定爲

嘉元の百首の歌奉りし時、擣衣

高圓の尾上もさむき秋風に袖つきごろもたれかうつらむ

法眼兼譽

里擣衣

秋ぞともわかぬときはの里人はたゞ夜寒にや衣うつらむ

藤原顯盛

題志らず

尾花ふくかり庵さむき秋風にうぢのみやこは衣うつなり

内大臣

百首の歌奉りし時

故郷の月をいく夜か三吉野の山風さむみころもうつらむ

參議雅經

秋の歌の中に

深草や霧の籬にたれ住みてあれにし里にころもうつらむ

前大納言俊光

嘉元の百首の歌奉りし時、擣衣

遠近に衣うつなり里人の夜さむやおなじこゝろなるらむ

今上御製

聞擣衣といへる心を

急ぐなる秋のきぬたの音にこそ夜さむの民の心をもしれ

入道前太政大臣

弘安の百首の歌奉りける時

夜さむなる須磨のあま人今よりや風に恨みて衣うつらむ

大江貞重

海邊擣衣を

秋さむくなるをの浦の海士人は波かけ衣うたぬ夜もなし

前大納言爲氏

前大納言爲家人々によませ侍りける日吉の社の五十首の歌合に、湖邊擣衣

さゞ波やにほてる蜑のぬれ衣浦風さむく擣たぬ夜もなし

皇太后宮大夫俊成女

寳治の百首の歌奉りける時、聞擣衣

あぢきなくいそがぬよその枕まで夢路とほさずうつ衣哉

伏見院御製

擣衣驚夢といへる心を

おどろかす砧の音に小夜衣かへすほどなきうたゝねの夢

遊義門院

題志らず

擣ち明す砧のおとの悲しきは長き夜さむの寐覺なりけり

忠房親王

百首の歌奉りし時

夜もすがら月見る人のいねがてに曉かけてうつころも哉

源邦長朝臣

擣衣をよめる

誰れ故かたぶくまでの月影にねなまし人の衣うつらむ

從二位宣子

賤がうつよその砧のおとのみぞ秋の寐覺の友となりける

前僧正雲雅

百首の歌奉りし時

ぬれつゝや志ひて擣つらむ白露の曉おきの麻のさごろも

大藏卿隆博

弘安の百首の歌奉りける時

袖の上の露もみだるゝ秋風に誰か忍ぶのころもうつらむ

龜山院御製

殘りける秋の日數をかぞへつゝ霜の夜な/\うつ衣かな

法眼源承

性助法親王の家の五十首の歌に

白妙の袖の初霜月さえていとゞ夜さむにうつころもかな

皇太后宮大夫俊成

久安の百首の歌に

山川の水の水上たづねきて星かとぞ見る志らぎくのはな

藤原興風

延喜の御時、菊合に

散り果てゝ花なきときの花なれば移ろふ色の惜しくもある哉

二品法親王覺助

籬菊を

秋ふかきまがきは霜の色ながら老せぬものと匂ふ志ら菊

今上御製

菊の枝につけて奉らせ給うける

仙人の千とせの秋をゆづりおきて君が爲にと咲ける白菊

法皇御製

御返し

行く末は猶長月の菊の枝にかさなる千世を君にゆづらむ

新院別當典侍

重陽の心を

行く末の秋を重ねて九重に千代までめづる菊のさかづき

永福門院内侍

題志らず

殘りける秋の日數もあるものをうつりなはてそ庭の白菊

前關白左大臣押小路

百首の歌奉りし時

我が袖に露をのこして長月や末野の尾花うら枯れにけり

平時敦

題志らず

長月も末野の原の花ずゝきほのかにのこる秋のいろかな

祝部成久

下露のそむるは色のうすければ紅葉も秋の時雨をや待つ

洞院攝政前左大臣

津の國の生田の杜の初時雨あすさへふらば紅葉しぬべし

前内大臣

染めてけり三室の山の初紅葉時雨も露もいろに出でつゝ

前中納言經繼

紅葉一樹といへる心を

いと早も染めて色こき紅葉かな此一本やまづ志ぐれけむ

權中納言爲藤

題志らず

玉鉾の道の行くてのはじもみぢ遠近人や折りてかざゝむ

關白内大臣

百首の歌奉りし時

露時雨いかに染めてか志のぶ山木々の木葉の色に出で劔

前參議雅孝

志ぐれ行く雲のとだえは日影にて錦を晒す嶺のもみぢ葉

權中納言公雄

秋の歌の中に

小倉山心に染むるもみぢばゝ志ぐれの外の色やまさらむ

從三位爲信

露霜の重なる山のもみぢ葉は千志ほの後も色や添ふらむ

修理大夫顯季

家に歌合し侍りけるに、紅葉を

色深き深山がくれのもみぢ葉をあらしの風の便にぞ見る

清原元輔

題志らず

もみぢ葉の散來る秋は大井川渡る淵瀬もみえずぞ有ける

貫之

水底に影し映ればもみぢばの色もふかくやなり増るらむ

從二位家隆

水郷紅葉を

龍田河みねの紅葉の散らぬ間は底にぞ水の秋は見えける

贈從三位爲子

嘉元の百首の歌奉りし時、紅葉

立田川水の秋をや急ぐらむもみぢをさかふ峯のあらしは

藤原爲嗣朝臣

題志らず

うつり行く柞の紅葉人とはゞいかにいはたの小野の秋風

新院御製

散り積る庭のもみぢば殘るとも秋の日數は止りしもせじ

左大臣

永仁元年龜山殿の十首の歌に、河上暮秋

大井河流れて早き木の葉にもとまらぬ秋の色は見えけり

從三位師行

筏士よ秋のなごりの大井河この暮志ばしいそがずもがな

伏見院御製

暮秋菊といへる心を

霜深くうつろひ行くを秋の色のかぎりと見する白菊の花

從三位爲理

正和三年九月盡日十首の歌に、曉惜月

行く秋の名殘おもはぬ時だにもあかずやは見ぬ有明の月

後二條院御製

題志らず

いかゞ又思ひ捨てゝは過すべきとまらぬ秋の別なりとも

前大納言爲世

嘉元の百首の歌奉りし時、九月盡

目に見えぬ心計りは慕へども身をし分かねば秋ぞ止らぬ

上西門院兵衛

久安の百首の歌に

明日しらぬ身をば思はでめぐりこむ秋の別を何惜むらむ

前中納言定家

後京極攝政、内大臣に侍りける時、家に十首の歌よみ侍りける秋に、

松島の海士の衣手秋くれていつかはほさむ露もしぐれも