拾遺和歌集 (Shui wakashu [Book 1]) | ||
6. 拾遺和歌集卷第六
別
よみ人志らず
春ものへまかりける人に曉にいでたちける所にてとまり侍りける人のよみ侍りける
題志らず
曾禰好忠
ものへまかりける人のもとに人々まかりてかはらけとりて
御製
天歴の御時小貳の命婦豊前に罷侍ける時大 盤所にて餞せさせ給ふに被け物給ふとて
よみ人志らず
題志らず
御製
天歴の御時九月十五日齋宮下り侍りけるに樂子天歴皇女母計子中納言庶明女
忠見
十月ばかりにものへまかりける人に
能宣
ものへまかりける人に馬のはなむけし侍りて扇つかはしける
讀人志らず
題志らず
貫之
ものへまかりける人のおくり、關山までし侍るとて
能宣
いせよりのぼり侍りけるにしのびて物いひ侍りける女のあづまへ くだりけるが逢坂にまかりあひて侍りけるに遣しける
赤染衛門
大江爲基あづまへまかり下りけるに扇を遣はすとて
源のよしたねが三河介にて侍りけるむすめのもとに母のよみて遣はしける
源順
兼盛駿河のかみにて下り侍りける馬のはなむけし侍るとて
貫之
信濃國に下りける人のもとに遣はしける
天歴御製
共政朝臣肥後守にて下り侍けるに妻のひぜんが下りけるに筑紫櫛御ぞなど給ふとて
よみ人しらず
天歴の御時御めのと肥前がいで羽の國に下り侍りけるにせん給ひけるに藤壷よりさうぞく給ひけるに添へられたりける
御乳母少納言
同じ御乳母のせんに殿上のをのこども女房など別をしみ侍りける に
女藏人參河
よみ人志らず
題志らず
三條太皇太后宮
源弘景ものへまかりけるにさうぞく給ふとて
貫之
橘公頼帥になりてまかり下りける時利貞が繼母内侍のすけのうまのはなむけし侍りけるにさうぞくにそへて遣はしける
題志らず
よみ人志らず
貫之
田舍へまかりける時
戒秀法師
みちの國の守これともが罷り下りけるに彈正のみこのかうやく遣はしけるに
藤原清正
藤原の雅正が豐前守に侍りける時爲頼が覺束なしとて下り侍りけ るに馬のはなむけし侍るとて
元輔
肥後守にて清原元輔くだり侍りけるに源滿仲せんし侍りけるにかはらけとりて
源滿仲朝臣
返し
よみ人志らず
題志らず
右衛門源兼澄女
橘倚平
筑紫へまかりける人のもとにいひ遣しける
藤原爲頼
陸奧守にて下り侍りける時三條太政大臣餞し侍りければよみ侍りける
平兼盛
みちの國の白河の關越え侍りけるに
右衛門督公任
實方朝臣みちのくにへ下り侍りけるにしたぐら遣はすとて
よみ人志らず
題志らず
兼盛
恒徳公の家の障子に
貫之
たみのゝ島のほとりにて雨にあひて
伊勢
難波にはらへし侍りてまかり歸りけるあかつきにもりの侍りけるに時鳥のなき侍りけるを聞きて
能宣
物へまかりける道にて雁のなくをきゝて
よみ人志らず
題志らず
平兼盛
源公貞が大隈へまかり下りけるにせきとの院にて月のあかゝりけるに別をしみ侍りて
能宣
秋旅にまかりけるにいなみのに宿りて
重之
筑紫へ下りける道にて
弓削よしとき
帥伊周つくしへまかりけるにかはじりはなれ侍りけるによみ侍りける
贈太政大臣菅
流され侍りて後いひおこせて侍りける
かなをか金岡仁明天皇御時人也承和四年九月五圖御所繪
かさの金岡が唐土にわたりて侍りけるときめの長歌よみて侍りける返し
柿本人麿
もろこしにて
人丸入唐事此歌外無所見。但上古事雖可任本。
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