此歌義孝かくれ侍りてのち十月ばかりに賀縁法師の夢に心地よげにて笙をふくと見るほどに口をたゞならすになむ侍りける。母のかくばかりこふるを心地よげにていかにといひ侍りければ立つをひきとゞめてよめるとなむいひ傳へたる。