後拾遺和歌集 (Goshui wakashu [Introduction]) | ||
12. 後拾遺和歌集第十二
戀二
祭主輔親
女にあひて又の日遣はしける
源頼綱朝臣
實範の朝臣のむすめのもとに通ひそめてあしたにつかはしける
永源法師
惟任の朝臣にかはりてよめる
藤原隆方朝臣
平行親の朝臣のむすめのもとにまかりそめて又のあしたによめる
源定季
題志らず
少將藤原義孝
女の許より歸りて遣はしける
伊勢大輔
人の許に通ふ人に代りて遣しける
藤原道信朝臣
女のもとより雪ふり侍りける日かへりてつかはしける
ある人の許にとまりて侍りけるにひるはさらに見ぐるしとていで侍らざりければよめる
永源法師
題志らず
西宮前左大臣
女につかはしける
藤原道信朝臣
題志らず
清原元輔
相模
男のまてといひおこせて侍りける返事によみ侍りける
時々物いふ男くれゆく計りといひて侍りければよめる
赤染衛門
なかの關白少將に侍りける時はらからなる人に物いひわたり侍りけり。たのめてこざりけるつとめて女にかはりてよめる
和泉式部
人のたのめてこず侍りければつとめてつかはしける
大輔命婦
越前守景理夕さり來むといひて音せざりければよめる
藤原隆經朝臣
女のもとにつかはしける
童木
かへし
源重之
題志らず
源師賢朝臣
女の許にまかりけるにかくれてあはざりければかへりてつかはしける
讀人志らず
左大將朝光女の許に罷れりけるに、なやまし、歸りねといひ侍りければかへりてのあした女の許よりつかはしける
一宮紀伊
ものいひ侍りける男のひるはかよひつゝ夜とまらざりければよめる
讀人志らず
大貳高遠物いひ侍りける女の家の傍に又忍びて物いふ女の家侍りけり。かどのまへより忍びて渡り侍りけるをいかでか聞きけむ、女の許より遣はしける
大貳高遠
かへし
和泉式部
題志らず
高階章行朝臣女
兼仲の朝臣のすみ侍りける時忍びたる人かず/\にあふ事難く侍りければよめる
讀人志らず
題志らず
讀人志らず
人の娘の親にも志らせで物いふ人侍りけるを親きゝつけていひ侍りければ男まうできたりけれど歸りにけりときゝて女にかはりて遣はしける
相模
忍びて物思ひ侍りける頃色にや志るかりけむ、打とけたる人、などか物むづかしげにといひ侍りければ心の内になむ思ひける
赤染衞門
物いひわたる男のふちは瀬になどいヘりける返事によめる
讀人志らず
道濟が田舍へまかりくだりけるに女のもとよりつかはしける
右大臣
心ならぬ事や侍りけむ、かたらひける女の許にまかりて枕にかきつけ侍りける
讀人志らず
男のこむといひ侍りけるを待ちわづらひてゆふけをとはせけるによにこじとつげ侍りければ心ぼそくおもひてよみ侍りける
大納言道綱母
入道攝政九月ばかりの事にや、よがれして侍りけるつとめてふみおこせて侍りける返事につかはしける
馬内侍
なかの關白女の許より曉に歸りて内にもいらでとに居ながら歸侍りければよめる
相模
あすの程にまでこむと言ひたるをとこに
和泉式部
雨のいたうふる日涙の雨の袖になどいひたる人に
讀人志らず
輔親物いひ侍りける女の許に、よべは雨の降りしかばはゞかりてなどいへりける返事に、とくやみにしものをとて女のつかはしける
藤原能通朝臣
忍びて通ふ女のまたこと人にものいふときゝてつかはしける
藤原實方朝臣
かたらひ侍りける女のこと人にものいふときゝてつかはしける
清少納言人に志らせで絶えぬ中にて侍りけるにひさしう音づれ侍らざりければよそ/\にて物などいひ侍りけり。女さし寄りて忘れにけりなといひ侍りければよめる
讀人志らず
をとこかれ%\になり侍りける頃よめる
大貳三位
かれ%\なるをとこのおぼつかなくなどいひたりけるによめる
赤染衛門
右大將道綱ひさしうおとせでなどうらみぬぞといひて侍りければむすめにかはりて
和泉式部
夜毎にこむといひて夜がれし侍りけるをとこのもとにつかはしける
赤染衛門
をとこうらむることやありけむ、今日をかぎりにて又はさらに音せじといひていで侍りにけれどいかにおもひけむ、ひるつかたおとづれて侍りけるによめる
藤原長能
題志らず
後冷泉院御製
七月七日二條院の御方に奉らせたまひける
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