University of Virginia Library

しかばかり契りしものを渡り川歸る程には忘るべしやは

此歌よしたかの少將わづらひ侍りけるに、なくなりたりともしばしまて、經よみはてむと妹うとの女御にいひ侍りて程もなく身まかりて後忘れてとかくしてければその夜母の夢に見え侍りける歌なり。