University of Virginia Library

藤原相如女

父の身まかりけるいみによみ侍りける

夢みずと歎きし人をほどもなく又わが夢に見ぬぞ悲しき

此歌は粟田右大臣身まかりて後彼家に父の相如とのゐして侍りけるに夢ならで又もあふべき君ならばねられぬいをもなげかざらましとよみて程もなく身まかりにければかくよめるとなむいひ傳へたる。