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伊勢大輔

上東門院、長家民部卿の三條の家に渡らせ給ひたりける頃俄に御幸ありて近き人々のいへめされければよかるべな所なきよしそうせさせ侍りけり。其御返事に歌をよみて參らせよとおほせられければ雪ふる日よみてまゐらせける

年つもる頭の雪はおほ空の光りにあたる今日ぞうれしき

家をかへしにすと仰せられてゆるされにけり。