University of Virginia Library

成蹊子こぞの冬つひに不言人と成りしとなん。鶯笠のもとより此ころ申おこせたりし を

つの國の何を申も枯木立
白笠を少しさますや木下陰
まかり出たるは此藪の蟇にて候
雲を吐く口つきしたり引蟇
赤い葉の榮耀にちるや夏木立
稻妻や一切づゝに世が直る
石川はくはらり稻妻さらり哉
夕霧や馬の覺えし橋の穴
秋風に歩て迯る螢かな

二番休

乳呑子の風よけに立かゝし哉

連にはぐれて

一人通ると壁に書く秋の暮

七月七日墓詣

一念佛申だけしく芒かな
木啄のやめて聞かよ夕木魚
木つゝきが目利して居る菴かな

經堂

蟲の屁を指して笑ひ佛かな
得手ものゝ片足立や小田の雁
山寺や
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の上なる鹿の聲

下手笛によつくきけとやしかの聲 一茶
茸狩のから手でもどる騒かな

さと女三十五日墓

秋風やむしりたがりし赤い花
さをしかの喰こぼしけり萩の花
我やうにどつさり寐たよ菊の花
のらくらが遊びかげんの夜寒哉
露の玉つまんで見たるわらは哉
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Issa Zenshu reads 縁.