University of Virginia Library

おのれ住る郷は、おく信濃黒姫山のたら/\下りの小隅なれば、雪は夏きへて霜は秋 降る物から、橘のからたちとなるのみならで、萬木千草上々國よりうつし植るに、こ と%\く變じざるはなかりけり。

九輪草四五りん草で仕廻けり 一茶

鎮西八郎爲朝人礫うつ所に

時鳥蠅蟲めらもよつく聞け
鹿の子や横にくはへし萩の花 一茶

老翁岩に腰かけて一軸をさづくる圖に

我汝を待こと久しほとゝぎす

幽栖

我家に恰好鳥の鳴にけり
二三遍人をきよくつて行螢
飛螢其手はくはぬくはぬとや