University of Virginia Library

此一巻や、しなのゝ俳諧寺一茶なるものゝ草稿にして、風調洒々落々と杜をなす。こ や寸毫も洒落にあらず、しかもよく佛籬祖室をうかがひ、さる法師がつれ/\もあや からず、一休白隱は猶しかなり、手ぶりはおのれが手ぶりにして、あが翁の細みをた どり、敢て世塵を厭ず、人情はたやるかたなし、惡我此外に何をかいはむ。

嘉永四辛の亥春彼岸仲日 瓢界四山人しるす

かの岸もさくら咲日となりにけり