後拾遺和歌集 (Goshui wakashu [Introduction]) | ||
5. 後拾遺和歌集第五
秋下
中納言資綱
永承四年内裏の歌合に擣衣をよみ侍りける
伊勢大輔
藤原兼房朝臣
藤原長能
花山院歌よませ給ひけるによみ侍ひける
齋院中務
選子内親王いつきときこえける時九月の十日あまりに曉ちかうなるまで人々眺むるにきし方行末も斯る夜はあらじなどいひてよみ侍りける
大宮越前
山家秋風といふ心をよめる
源道濟
題志らず
堀河右大臣
永承四年内裏の歌合に
藤原經衡
宇治にて人々紅葉をもてあそぶ心をよみ侍りけるによめる
上東門院中將
長樂寺にすみ侍りける頃人のもとより此頃は何事かととぶらひ侍りければよめる
藤原兼房朝臣
屏風の繪に車おさへて紅葉見る所をよめる
右大辨通俊
紅葉なほ色あさしといふ心を今上よませ給ふついでにたてまつり侍りける
惠慶法師
西の京にすみ侍りける人の身まかりて後まがきの菊を見てよめる
大貳三位
中納言定頼かれ%\になり侍りけるに菊の花にさしてつかはしける
伊勢大輔
上東門院菊合せさせ給ひけるに左のとうつかまつるとてよめる
藤原義忠朝臣
大藏卿長房
後冷泉院の御時后の宮にて人々翫庭菊題にてよみ侍りける
赤染衞門
菊の花おも志ろき所ありと聞きて見にまかりにける人のおそく歸りければ遣しける
清原元輔
天暦の御時御屏風に菊をもてあそぶ家ある所をよめる
大中臣能宣朝臣
屏風の繪に菊の花さきたる家に鷹すゑたる人宿かる所をよめる
良暹法師
いもうとに侍りける人のもとに男こずなりにければ九月ばかりに菊のうつろひて侍りけるを見てよめる
藤原經衡
相摸、公資に忘られて後かれが家にまかれりけるにうつろひたる菊の侍りければよめる
中納言定頼
五條なる所にわたりてすみ侍りけるにをさなき子どもの菊を翫び侍りければよめる
中納言資綱
永承四年内裏の歌合に殘菊を詠める
前大納言公任
寛和二年正月入道前太政大臣大饗し侍りける屏風に山里の紅葉みる人きたる所を詠める
平兼盛
屏風の繪に山家に男女この志たに紅葉もてあそぶ所をよめる
清原元輔
山里にまかりてよみ侍りける
御製
月前落葉といふ心を
法印清成
落葉路を隱すといふ心をよめる
堀河右大臣
故式部卿のみこ大井河にまかれりけるに紅葉をよめる
中納言定頼
大井河にてよみ侍りける
能因法師
永承四年内裏の歌合によめる
藤原範永朝臣
題志らず
伊勢大輔
後冷泉院の御時后の宮の歌合によめる
源頼家朝臣
師賢の朝臣梅津の山庄にて田家秋風といふ心をよめる
相摸
土御門右大臣の家の歌合に秋の田をよめる
源頼綱朝臣
題志らず
藤原範永朝臣
九月盡日惜秋心をよみ侍りける
九月盡日終夜惜秋心をよめる
法眼源賢
九月盡日よみ侍りける
大貳資通
九月盡の日伊勢大輔がもとにつかはしける
源兼長
九月晦夜よみ侍りける
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