おらが春 (Ora ga Haru) | ||
男にきらはれて親のもとに住みけるに、おのが子の初節句見たくも晝は人目茂ければ
去られたる門を夜見る幟かな
よみ女しらず
子を思ふ實情さもと聞へて哀なり。猛きものゝふの心を和らぐるとはかゝる眞心をい ふなるべし。いかなる鬼男なりとも、風の便りにもきゝなば、いかでかふたゝび呼び 歸さざらめや。
所有畜類是レ世々ノ親族ナリとなん、親をしたひ子を慈む情、何ぞへだてのあるべき や。
人の親の鳥追けり雀の子
鬼貫
夏山や子にあらはれて鹿の鳴
五明
負て出て子にも鳴かする蛙哉
東陽
鹿の親笹吹く風にもどりけり
一茶
小夜しぐれなくは子のない鹿にがな
ゝ
子をかくす藪の廻りや鳴雲雀
ゝ
おらが春 (Ora ga Haru) | ||