University of Virginia Library

【七十七】

これもおなしみこにおなしおとこ

永夜をあかしの浦に焼く汐の煙は空にたちやのほらぬ

かくて忍ひてあひ給けるほとに院に八月十五夜せられけるに参り給へと有けれはまいり給ふにゐんにてはあふましけれはせめてこよひはなまいり給そととゝめけりされとめしなりけれはえとゝまらていそきまいり給けれはよしたね

たかとりかよゝに泣つゝとゝめけん君は君にとこよひしもゆく