群書類従卷弟三百八下
検校保己一集
物語部二
大和物語 下
群書類従卷第三百八 (Yamato monogatari) | ||
【百七十】
これひらのさいしやう中将にものし給ける時故兵部卿宮の別當したまひけれはつねにまいりなれてこたちもかたらひ給けりその君内よりまかて給けるまゝに風になむあひ給てわつらひ給けるとふらひにくすりの酒さかななとてうして兵衛の命婦なんやり給ひけるそのかへりことにいとうれしうとひ給へることあさましうかゝる病もつくものになんありけるとて
青柳のいとならねとも春風のふけはかたよる我身成けり
とあれはひやうゑの命婦かへし
いさゝめに吹風にやはなひくへき野分過しゝ君にやはあらぬ
群書類従卷弟三百八下
検校保己一集
物語部二
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