群書類従卷弟三百八下
検校保己一集
物語部二
大和物語 下
群書類従卷第三百八 (Yamato monogatari) | ||
【百四十】
故兵部卿宮のほるの大納言のむすめにすみ給けるをれいのおはしまし所にはあらてひさしにおまし敷ておほとのこもりなとしてかへり給てほとひさしうおはしまさゝりけりかくてのたまへりけるかのひさしにしかれたりし物はさなからありやとりたてやし給てしとのたまへりけれは御返事
敷かへすありしなからに草枕ちりのみそゐる払ふ人なみ
とありけれは御返に
草枕ちりはらひにはからころも袂ゆたかにたつをまてかし
とありけれは又
唐衣たつを待まのほとこそは我敷たへの塵もつもらめ
とありけれはおはしまして又宇治へかりしになんいくとのたまひける御返に
御狩するくりこま山の鹿よりも独ぬる身そわひしかりける
群書類従卷弟三百八下
検校保己一集
物語部二
大和物語 下
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