University of Virginia Library

【百六十五】

水尾のみかとの御時左大弁のむすめへんのみやす所とていますかりけるをみかと御くしおろし給て後にひとりいますかりけるを在中将しのひてかよひけり中将やまひいとおもくしてわつらひけるをもとのめともゝありこれはいとしのひてあることなれはえいきもとふらひ給はすしのひ/\になんとふらひける事日々にありけりさるにとはぬ日なん有けるやまひもいとおもりてその日に成にけり中将のもとより

つれ/\といとゝ心のわひしきにけふはとはすてくらしてんとや

とてをこせたりよはく成にたりとていといたくなきさはきて返事なともせんとするほとにしにけりときゝていといみしかりけりしなんとすることいま/\となりてよみたりける

つゐに行道とはかねて聞しかと昨日今日とはおもはさりしを

とよみてなんたえはてにける