温泉に浴す。其功有明に次と云。
あるじとする物は久米之助とていまだ小童也。かれが父誹諧を好み、洛の貞室若輩の むかし爰に来りし比、風雅に辱しめられて、洛に帰て貞徳の門人となつて世にしらる。 功名の後、此一村判詞の料を請ずと云。今更むかし語とはなりぬ。
曾良は腹を病て、伊勢の国長嶋と云所にゆかりあれば、先立て行に、
と書置たり。行ものゝ悲しみ残ものゝうらみ隻鳧のわかれて雲にまよふがごとし。予 も又