University of Virginia Library

藤原敦家朝臣

御たけにまうで侍りける精進の程金泥の法華經書き奉りて後御山に納めたてまつらむとて參り侍りける時思ふ心や侍りけむ、物に書き付けおきて侍りける

夢さめむその曉をまつほどのやみをもてらせのりの燈火

かくてまうで侍りて後御山にてなむ身まかりにける。其の後故郷にて此の歌は見出て侍りけるとなむ。