二月ばかり月のあかき夜二條院にて人々あまたゐあかして物語などし侍りけるに、内侍周防よりふして枕をがなと忍びやかにいふを聞きて、大納言忠家是を枕にとてかひなをみすの下よりさし入れて侍りければよみ侍りける