詞花和歌集 (Shika wakashu) | ||
7. 詞花和歌集卷第七
戀上
關白前太政大臣
戀のうたとてよみ侍りける
藤原實方朝臣
題志らず
隆惠法師
大藏卿匡房
堀川院の御時百首の歌奉りけるによめる
平兼盛
題志らず
一條院御製
春立ちける日承香殿の女御のもとへつかはしける
藤原伊家
承暦四年内裏の歌合によめる
左兵衛督公能
新院くらゐにおはしましゝ時うへのをのこども御前にめして寐覺の戀といふ事をよませ給ひけるによめる
藤原惟成
寛和二年内裏の歌合によめる
大納言成通
左京大夫顯輔が家に歌合志侍りけるによめる
寛念法師
題志らず
賀茂成助
つれなき女につかはしける
淨藏法師
題志らず
平兼盛
女をあひかたらひけるころよしありて津の國にながらといふ所にまかりてかの女のもとにつかはしける
讀人志らず
題志らず
能因法師
前大納言公任
あだ/\しくもあるまじかりける女をいと忍びていはせ侍りけるに世にちりてわづらはしきさまにきこえければいひたえて後とし月をへて思ひ餘りていひつかはしける
僧都覺雅
三井寺に侍りけるわらはに京にいでばかならずつげよとちぎりて侍りけるを京へいでたりとは聞きけれどおとづれ侍らざりければいひつかはしける
大納言道綱
さらにゆるきけもなき女に七月七日つかはしける
隆縁法師
戀のうたとてよめる
左衛門督家成が津の國の山庄にて旅宿戀といふことをよめる
源重之
冷泉院春宮と申しける時百首の歌奉りけるによめる
修理大夫顯季
堀河院の御時百首の歌奉りけるによめる
平祐擧
題志らず
藤原永實
道命法師
春になりてあはむとたのめける女のさもあるまじげに見えければいひつかはしける
源家時
堀河院の御時くら人に侍りけるに贈皇后宮の御方に侍りける女を忍びて語らひ侍りけるをこと人にものいふときゝて白菊の花にさしてつかはしける
大納言公實
返し、女にかはりて
藤原顯綱朝臣
中納言としたゞが家の歌合によめる
源道濟
題志らず
源雅光
ふみつかはしける女のいかなる事かありけむ、今更に返事せず侍りければいひ遣はしける
平實重
左京大夫顯輔が家に歌合志侍りけるによめる
道命法師
題志らず
藤原道信朝臣
女を恨みてよめる
心覺法師
ひえの山に歌合志侍りけるによめる
大中臣能宣朝臣
題志らず
讀人志らず
藤原範永朝臣
山寺にこもりて日頃侍りて女のもとへいひつかはしける
藤原親隆朝臣
關白前太政大臣の家にてよめる
新院御製
題志らず
曾禰好忠
道命法師
冬の頃暮にあはむといひたる女にくらしかねていひ遣はしける
中納言俊忠
家に歌合志侍りけるによめる
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