University of Virginia Library

うつせみの人の裏やをかりの庵夜の嵐に聞くぞまさらん
君なくてさびしかりけりこの頃は行き來の人はさはにあれども
庵にのみ我れはありぬと君により言傳をせんわた中のをぢ
雨はやみぬこの夜明けなば木下のや岩の苔道うちはらひてん
たまぼこの道の下くさふみわけて又と來て見んたどりたどりに
里べには笛や太鼓の音すなり深山は澤に松の音して