1. |
2. |
3. |
4. |
5. |
6. |
7. |
8. |
9. |
10. |
良寛歌集 (Kashu) | ||
五合庵に題す
濁る世を澄めともよはず我がなりにすまして見する谷川の水
うき世をば高くのがれて國上山赤谷川の水をしるべに
國上山杉の下道ふみわけて我が住む庵にいざかへりてん
いさここに我が身は老いんあしびきの國上の山の松の下いほ
あしびきの國上の山をもしとはば心に思へ白雲の外
戀しくばたづねて來ませあしびきの國上の山の森の下いほ
わが宿は越の山奥こひしくばたづねて來ませ杉の下道
こひしくばたづねて來ませ我が宿は越の山もとたどり/\に
我が宿は國上山もとこひしくばたづねて來ませたどり/\に
乙宮の森の下やの靜けさにしばしとて我が杖うつしけり
いさここに我が世はへなん國上のや乙子の宮の森の下庵
おと宮の宮の神杉しめゆひていつきまつらんをぢなけれども
乙宮の杉のかげ道ふみわけて落葉ひろうてこの日くらしつ
乙みやの森の下庵訪ふ人はめづらしものよ森の下庵
乙宮の森の木下に我が居れば鐸ゆらぐもよ人來るらし
乙宮の森の下屋に我れおれば人きたるらし鐸の音すも
乙宮の森の下いほしばしとてしめにしものを森の下庵
良寛歌集 (Kashu) | ||