University of Virginia Library

おなじうた

鉢の子は愛しきものかも
今日よそに置きてし來れば
立つらくのたづきも知らず
居るらくのすべをも知らず
夏草の思ひしなえて
夕づつのか行きかく行き
ひさがたの雪はふるとも
よしゑやしあしびきの
山をも越えて尾もこえて
我がとめ行かんと思ひし折に
たまぼこの道にありとて
我がもとに人は持て來ぬ
うれしくも持ち來るものか
我れこそは主にはあらめ
その鉢の子の