University of Virginia Library

おなじうた

みそのふに植ゑし秋萩
旗すすきすみれ・たんぽぽ
合歡の花芭蕉・あさがほ
藤袴しをに・露草
わすれ草朝な夕なに
心して水を注ぎて
日おひして育てしぬれば
常よりもことにはあれと
人もいひ我れももひしを
時こそあれさ月の月の
二十日まり五日の暮の
大風の狂ひて吹けば
あらがねの土にのべふし
ひさがたの雨にみだりて
百千々にもまれにければ
あたらしと思ふものから
風のなすわざにしあれば
爲んすべもなし
我が宿に植ゑて育てし百くさは風の心に任す なりけり