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良寛歌集 (Kashu) | ||
爲求古述懷
わくらばに人となれるを
何すとかこのあしきけに
さやらえて晝はしみらに
門さして夜はすがらに
人のぬるうまいもいねず
たらちねの母がましなば
かいなでてたらはさましを
わかくさの妻がありせば
かいもちてはぐくまましを
家とへば家もはふりぬ
はらからもいづちいぬらん
鶉鳴くふるさとすらを
くさ枕旅ねとなせば
ひと日こそ人もみつがめ
ふた日こそ人もみつがめ
ひさがたの長き月日を
いかにして世をやわたらん
日にちたび死なば死なめと
思へども心にそはぬ
たまきはる命なりせば
かにかくにすべのなければ
こもりゐてねのみしなかゆ
朝夕ごとに
何すとかこのあしきけに
さやらえて晝はしみらに
門さして夜はすがらに
人のぬるうまいもいねず
たらちねの母がましなば
かいなでてたらはさましを
わかくさの妻がありせば
かいもちてはぐくまましを
家とへば家もはふりぬ
はらからもいづちいぬらん
鶉鳴くふるさとすらを
くさ枕旅ねとなせば
ひと日こそ人もみつがめ
ふた日こそ人もみつがめ
ひさがたの長き月日を
いかにして世をやわたらん
日にちたび死なば死なめと
思へども心にそはぬ
たまきはる命なりせば
かにかくにすべのなければ
こもりゐてねのみしなかゆ
朝夕ごとに
ひさがたの長き月日をいかにして我が世わたらん麻手小衾
良寛歌集 (Kashu) | ||