University of Virginia Library

1751

[題詞]難波經宿明日還来之時歌一首[并短歌]

[原文]嶋山乎 射徃廻流 河副乃 丘邊道従 昨日己曽 吾<超>来壮鹿 一夜耳 宿有之柄 二 <峯>上之 櫻花者 瀧之瀬従 落堕而流 君之将見 其日左右庭 山下之 風莫吹登 打 越而 名二負有社尓 風祭為奈
[訓読]島山を い行き廻れる 川沿ひの 岡辺の道ゆ 昨日こそ 我が越え来しか 一夜の み 寝たりしからに 峰の上の 桜の花は 瀧の瀬ゆ 散らひて流る 君が見む その日ま でには 山おろしの 風な吹きそと うち越えて 名に負へる杜に 風祭せな
[仮名],しまやまを,いゆきめぐれる,かはそひの,をかへのみちゆ,きのふこそ,わがこえ こしか,ひとよのみ,ねたりしからに,をのうへの,さくらのはなは,たきのせゆ,ちらひて ながる,きみがみむ,そのひまでには,やまおろしの,かぜなふきそと,うちこえて,なにお へるもりに,かざまつりせな
[_]
[左注](右件歌者高橋連蟲麻呂歌集中出)
[_]
[校異]歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 / 短歌 [西] 短謌 [西(訂正)] 短歌 / 越 → 超 [藍 ][紀] / 岑 → 峯 [藍][紀][矢][京]
[_]
[KW],雑歌,作者:高橋虫麻呂歌集,龍田,大阪,天平6年3月,年紀,風祭り,風神,地名,植 物