University of Virginia Library

1020, 1021

[題詞](石上乙麻呂卿配土佐國之時歌三首[并短歌])

[原文]王 命恐見 刺<並> 國尓出座 <愛>耶 吾背乃公<矣> 繋巻裳 湯々石恐石 住吉 乃 荒人神 <船>舳尓 牛吐賜 付賜将 嶋之<埼>前 依賜将 礒乃埼前 荒浪 風尓不<令 >遇 <莫>管見 身疾不有 急 令變賜根 本國部尓
[訓読]大君の 命畏み さし並ぶ 国に出でます はしきやし 我が背の君を かけまくも ゆゆし畏し 住吉の 現人神 船舳に うしはきたまひ 着きたまはむ 島の崎々 寄りた まはむ 磯の崎々 荒き波 風にあはせず 障みなく 病あらせず 速けく 帰したまはね もとの国辺に
[仮名],おほきみの,みことかしこみ,さしならぶ,くににいでます,はしきやし,わがせの きみを,かけまくも,ゆゆしかしこし,すみのえの,あらひとがみ,ふなのへに,うしはきた まひ,つきたまはむ,しまのさきざき,よりたまはむ,いそのさきざき,あらきなみ,かぜに あはせず,つつみなく,やまひあらせず,すむやけく,かへしたまはね,もとのくにへに
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[左注]
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[校異]並之 → 並 [元][紀][細] / <> → 愛 [万葉集注釈] / 矣 [西(上書訂正)][元][紀][細] / U → 船 [元][紀][細] / 崎 → 埼 [元][細] / 合 → 令 [元][紀][細] / 草 → 莫 [玉勝間]
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[KW],雑歌,石上乙麻呂,流罪,久米若賣,密通,天平11年,年紀,土佐,高知,同情,歌語り