万葉集 (Manyoshu) | ||
3312
[題詞]
[原文]隠口乃 長谷小國 夜延為 吾天皇寸与 奥床仁 母者睡有 外床丹 父者寐有 起立
者 母可知 出行者 父可知 野干<玉>之 夜者昶去奴 幾許雲 不念如 隠つ香聞
[訓読]隠口の 泊瀬小国に よばひせす 我が天皇よ 奥床に 母は寐ねたり 外床に 父
は寐ねたり 起き立たば 母知りぬべし 出でて行かば 父知りぬべし ぬばたまの 夜は
明けゆきぬ ここだくも 思ふごとならぬ 隠り妻かも
[仮名],こもりくの,はつせをぐにに,よばひせす,わがすめろきよ,おくとこに,はははい
ねたり,とどこに,ちちはいねたり,おきたたば,ははしりぬべし,いでてゆかば,ちちしり
ぬべし,ぬばたまの,よはあけゆきぬ,ここだくも,おもふごとならぬ,こもりづまかも
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