万葉集 (Manyoshu) | ||
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[題詞]
[原文]處女等之 <麻>笥垂有 續麻成 長門之浦丹 朝奈祇尓 満来塩之 夕奈祇尓 依来
波乃 <彼>塩乃 伊夜益舛二 彼浪乃 伊夜敷布二 吾妹子尓 戀乍来者 阿胡乃海之 荒礒
之於丹 濱菜採 海部處女等 纓有 領巾文光蟹 手二巻流 玉毛湯良羅尓 白栲乃 袖振所
見津 相思羅霜
[訓読]娘子らが 麻笥に垂れたる 続麻なす 長門の浦に 朝なぎに 満ち来る潮の 夕な
ぎに 寄せ来る波の その潮の いやますますに その波の いやしくしくに 我妹子に
恋ひつつ来れば 阿胡の海の 荒礒の上に 浜菜摘む 海人娘子らが うながせる 領布も
照るがに 手に巻ける 玉もゆららに 白栲の 袖振る見えつ 相思ふらしも
[仮名],をとめらが,をけにたれたる,うみをなす,ながとのうらに,あさなぎに,みちくる
しほの,ゆふなぎに,よせくるなみの,そのしほの,いやますますに,そのなみの,いやしく
しくに,わぎもこに,こひつつくれば,あごのうみの,ありそのうへに,はまなつむ,あまを
とめらが,うなげる,ひれもてるがに,てにまける,たまもゆららに,しろたへの,そでふる
みえつ,あひおもふらしも
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