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万葉集 (Manyoshu) | ||
悲別歌
3180
[題詞]悲別歌
[原文]浦毛無 去之君故 朝旦 本名焉戀 相跡者無杼
[訓読]うらもなく去にし君ゆゑ朝な朝なもとなぞ恋ふる逢ふとはなけど
[仮名],うらもなく,いにしきみゆゑ,あさなさな,もとなぞこふる,あふとはなけど
3181
[題詞](悲別歌)
[原文]白細之 君之下紐 吾<左>倍尓 今日結而名 将相日之為
[訓読]白栲の君が下紐我れさへに今日結びてな逢はむ日のため
[仮名],しろたへの,きみがしたびも,われさへに,けふむすびてな,あはむひのため
3182
[題詞](悲別歌)
[原文]白妙之 袖之別者 雖<惜> 思乱而 赦鶴鴨
[訓読]白栲の袖の別れは惜しけども思ひ乱れて許しつるかも
[仮名],しろたへの,そでのわかれは,をしけども,おもひみだれて,ゆるしつるかも
3183
[題詞](悲別歌)
[原文]京師邊 君者去之乎 孰解可 言紐緒乃 結手懈毛
[訓読]都辺に君は去にしを誰が解けか我が紐の緒の結ふ手たゆきも
[仮名],みやこへに,きみはいにしを,たがとけか,わがひものをの,ゆふてたゆきも
3184
[題詞](悲別歌)
[原文]草枕 <客>去君乎 人目多 袖不振為而 安萬田悔毛
[訓読]草枕旅行く君を人目多み袖振らずしてあまた悔しも
[仮名],くさまくら,たびゆくきみを,ひとめおほみ,そでふらずして,あまたくやしも
3185
[題詞](悲別歌)
[原文]白銅鏡 手二取持而 見常不足 君尓所贈而 生跡文無
[訓読]まそ鏡手に取り持ちて見れど飽かぬ君に後れて生けりともなし
[仮名],まそかがみ,てにとりもちて,みれどあかぬ,きみにおくれて,いけりともなし
3186
[題詞](悲別歌)
[原文]陰夜之 田時毛不知 山越而 徃座君者 何時将待
[訓読]曇り夜のたどきも知らぬ山越えています君をばいつとか待たむ
[仮名],くもりよの,たどきもしらぬ,やまこえて,いますきみをば,いつとかまたむ
3187
[題詞](悲別歌)
[本文]<立>名付 青垣山之 隔者 數君乎 言不<問>可聞
[訓読]たたなづく青垣山の隔なりなばしばしば君を言問はじかも
[仮名],たたなづく,あをかきやまの,へなりなば,しばしばきみを,こととはじかも
3188
[題詞](悲別歌)
[原文]朝霞 蒙山乎 越而去者 吾波将戀奈 至于相日
[訓読]朝霞たなびく山を越えて去なば我れは恋ひむな逢はむ日までに
[仮名],あさがすみ,たなびくやまを,こえていなば,あれはこひむな,あはむひまでに
3189
[題詞](悲別歌)
[原文]足桧乃 山者百重 雖隠 妹者不忘 直相左右二 [一云 雖隠 君乎思苦 止時毛無]
[訓読]あしひきの山は百重に隠すとも妹は忘れじ直に逢ふまでに [一云 隠せども君
を思はくやむ時もなし]
[仮名],あしひきの,やまはももへに,かくすとも,いもはわすれじ,ただにあふまでに,[か
くせども,きみをおもはく,やむときもなし]
3190
[題詞](悲別歌)
[原文]雲居<有> 海山超而 伊徃名者 吾者将戀名 後者相宿友
[訓読]雲居なる海山越えてい行きなば我れは恋ひむな後は逢ひぬとも
[仮名],くもゐなる,うみやまこえて,いゆきなば,あれはこひむな,のちはあひぬとも
3191
[題詞](悲別歌)
[原文]不欲恵八<師> 不戀登為杼 木綿間山 越去之公之 所念良國
[訓読]よしゑやし恋ひじとすれど木綿間山越えにし君が思ほゆらくに
[仮名],よしゑやし,こひじとすれど,ゆふまやま,こえにしきみが,おもほゆらくに
3192
[題詞](悲別歌)
[原文]草蔭之 荒藺之埼乃 笠嶋乎 見乍可君之 山道超良無 [一云 三坂越良牟]
[訓読]草蔭の荒藺の崎の笠島を見つつか君が山道越ゆらむ [一云 み坂越ゆらむ]
[仮名],くさかげの,あらゐのさきの,かさしまを,みつつかきみが,やまぢこゆらむ,[みさ
かこゆらむ]
3193
[題詞](悲別歌)
[原文]玉勝間 嶋熊山之 夕晩 獨可君之 山道将越 [一云 暮霧尓 長戀為乍 寐不勝可
母]
[訓読]玉かつま島熊山の夕暮れにひとりか君が山道越ゆらむ [一云 夕霧に長恋しつ
つ寐ねかてぬかも]
[仮名],たまかつま,しまくまやまの,ゆふぐれに,ひとりかきみが,やまぢこゆらむ,[ゆふ
ぎりに,ながこひしつつ,いねかてぬかも]
3194
[題詞](悲別歌)
[原文]氣緒尓 吾念君者 鶏鳴 東方重坂乎 今日可越覧
[訓読]息の緒に我が思ふ君は鶏が鳴く東の坂を今日か越ゆらむ
[仮名],いきのをに,あがおもふきみは,とりがなく,あづまのさかを,けふかこゆらむ
3195
[題詞](悲別歌)
[原文]磐城山 直越来益 礒埼 許奴美乃濱尓 吾立将待
[訓読]磐城山直越え来ませ礒崎の許奴美の浜に我れ立ち待たむ
[仮名],いはきやま,ただこえきませ,いそさきの,こぬみのはまに,われたちまたむ
3196
[題詞](悲別歌)
[原文]春日野之 淺茅之原尓 後居而 時其友無 吾戀良苦者
[訓読]春日野の浅茅が原に遅れ居て時ぞともなし我が恋ふらくは
[仮名],かすがのの,あさぢがはらに,おくれゐて,ときぞともなし,あがこふらくは
3197
[題詞](悲別歌)
[原文]住吉乃 崖尓向有 淡路嶋 A怜登君乎 不言日者无
[訓読]住吉の岸に向へる淡路島あはれと君を言はぬ日はなし
[仮名],すみのえの,きしにむかへる,あはぢしま,あはれときみを,いはぬひはなし
3198
[題詞](悲別歌)
[原文]明日従者 将行乃河之 出去者 留吾者 戀乍也将有
[訓読]明日よりはいなむの川の出でて去なば留まれる我れは恋ひつつやあらむ
[仮名],あすよりは,いなむのかはの,いでていなば,とまれるあれは,こひつつやあらむ
3199
[題詞](悲別歌)
[原文]海之底 奥者恐 礒廻従 <水>手運徃為 月者雖經過
[訓読]海の底沖は畏し礒廻より漕ぎ廻みいませ月は経ぬとも
[仮名],わたのそこ,おきはかしこし,いそみより,こぎたみいませ,つきはへぬとも
3200
[題詞](悲別歌)
[原文]飼飯乃浦尓 依流白浪 敷布二 妹之容儀者 所念香毛
[訓読]飼飯の浦に寄する白波しくしくに妹が姿は思ほゆるかも
[仮名],けひのうらに,よするしらなみ,しくしくに,いもがすがたは,おもほゆるかも
3201
[題詞](悲別歌)
[原文]時風 吹飯乃濱尓 出居乍 贖命者 妹之為社
[訓読]時つ風吹飯の浜に出で居つつ贖ふ命は妹がためこそ
[仮名],ときつかぜ,ふけひのはまに,いでゐつつ,あかふいのちは,いもがためこそ
3202
[題詞](悲別歌)
[原文]柔田津尓 舟乗<将>為跡 聞之苗 如何毛君之 所見不来将<有>
[訓読]熟田津に舟乗りせむと聞きしなへ何ぞも君が見え来ずあるらむ
[仮名],にきたつに,ふなのりせむと,ききしなへ,なにぞもきみが,みえこずあるらむ
3203
[題詞](悲別歌)
[原文]三沙呉居 渚尓居舟之 榜出去者 裏戀監 後者會宿友
[訓読]みさご居る洲に居る舟の漕ぎ出なばうら恋しけむ後は逢ひぬとも
[仮名],みさごゐる,すにゐるふねの,こぎでなば,うらごほしけむ,のちはあひぬとも
3204
[題詞](悲別歌)
[原文]玉葛 無<恙>行核 山菅乃 思乱而 戀乍将待
[訓読]玉葛幸くいまさね山菅の思ひ乱れて恋ひつつ待たむ
[仮名],たまかづら,さきくいまさね,やますげの,おもひみだれて,こひつつまたむ
3205
[題詞](悲別歌)
[原文]後居而 戀乍不有者 田籠之浦乃 海部有申尾 珠藻苅々
[訓読]後れ居て恋ひつつあらずは田子の浦の海人ならましを玉藻刈る刈る
[仮名],おくれゐて,こひつつあらずは,たごのうらの,あまならましを,たまもかるかる
3206
[題詞](悲別歌)
[原文]筑紫道之 荒礒乃玉藻 苅鴨 君久 待不来
[訓読]筑紫道の荒礒の玉藻刈るとかも君が久しく待てど来まさぬ
[仮名],つくしぢの,ありそのたまも,かるとかも,きみがひさしく,まてどきまさぬ
3207
[題詞](悲別歌)
[原文]荒玉乃 年緒永 照月 不Q君八 明日別南
[訓読]あらたまの年の緒長く照る月の飽かざる君や明日別れなむ
[仮名],あらたまの,としのをながく,てるつきの,あかざるきみや,あすわかれなむ
3208
[題詞](悲別歌)
[原文]久将在 君念尓 久堅乃 清月夜毛 闇夜耳見
[訓読]久にあらむ君を思ふにひさかたの清き月夜も闇の夜に見ゆ
[仮名],ひさにあらむ,きみをおもふに,ひさかたの,きよきつくよも,やみのよにみゆ
3209
[題詞](悲別歌)
[原文]春日在 三笠乃山尓 居雲乎 出見毎 君乎之曽念
[訓読]春日なる御笠の山に居る雲を出で見るごとに君をしぞ思ふ
[仮名],かすがなる,みかさのやまに,ゐるくもを,いでみるごとに,きみをしぞおもふ
3210
[題詞](悲別歌)
[原文]足桧木乃 片山雉 立徃牟 君尓後而 打四鶏目八方
[訓読]あしひきの片山雉立ち行かむ君に後れてうつしけめやも
[仮名],あしひきの,かたやまきぎし,たちゆかむ,きみにおくれて,うつしけめやも
万葉集 (Manyoshu) | ||