万葉集 (Manyoshu) | ||
1787
[題詞]天平元年己巳冬十二月歌一首[并短歌]
[原文]虚蝉乃 世人有者 大王之 御命恐弥 礒城嶋能 日本國乃 石上 振里尓 紐不解
丸寐乎為者 吾衣有 服者奈礼奴 毎見 戀者雖益 色二山上復有山者 一可知美 冬夜之
明毛不得呼 五十母不宿二 吾歯曽戀流 妹之直香仁
[訓読]うつせみの 世の人なれば 大君の 命畏み 敷島の 大和の国の 石上 布留の里
に 紐解かず 丸寝をすれば 我が着たる 衣はなれぬ 見るごとに 恋はまされど 色に
出でば 人知りぬべみ 冬の夜の 明かしもえぬを 寐も寝ずに 我れはぞ恋ふる 妹が直
香に
[仮名],うつせみの,よのひとなれば,おほきみの,みことかしこみ,しきしまの,やまとの
くにの,いそのかみ,ふるのさとに,ひもとかず,まろねをすれば,あがきたる,ころもはな
れぬ,みるごとに,こひはまされど,いろにいでば,ひとしりぬべみ,ふゆのよの,あかしも
えぬを,いもねずに,あれはぞこふる,いもがただかに
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