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[題詞]日並皇子尊殯宮之時柿本朝臣人麻呂作歌一首[并短歌]
[原文]天地之 <初時> 久堅之 天河原尓 八百萬 千萬神之 神集 々座而 神分 々之時
尓 天照 日女之命 [一云 指上 日女之命] 天乎婆 所知食登 葦原乃 水穂之國乎 天地
之 依相之極 所知行 神之命等 天雲之 八重掻別而 [一云 天雲之 八重雲別而] 神下
座奉之 高照 日之皇子波 飛鳥之 浄之宮尓 神随 太布座而 天皇之 敷座國等 天原 石
門乎開 神上 々座奴 [一云 神登 座尓之可婆] 吾王 皇子之命乃 天下 所知食世者 春
花之 貴在等 望月乃 満波之計武跡 天下 [一云 食國] 四方之人乃 大船之 思憑而 天
水 仰而待尓 何方尓 御念食可 由縁母無 真弓乃岡尓 宮柱 太布座 御在香乎 高知座
而 明言尓 御言不御問 日月之 數多成塗 其故 皇子之宮人 行方不知毛 [一云 刺竹之
皇子宮人 歸邊不知尓為]
[訓読]天地の 初めの時 ひさかたの 天の河原に 八百万 千万神の 神集ひ 集ひいま
して 神分り 分りし時に 天照らす 日女の命 [一云 さしのぼる 日女の命] 天をば 知
らしめすと 葦原の 瑞穂の国を 天地の 寄り合ひの極み 知らしめす 神の命と 天雲
の 八重かき別きて [一云 天雲の八重雲別きて] 神下し いませまつりし 高照らす 日
の御子は 飛ぶ鳥の 清御原の宮に 神ながら 太敷きまして すめろきの 敷きます国と
天の原 岩戸を開き 神上り 上りいましぬ [一云 神登り いましにしかば] 我が大君
皇子の命の 天の下 知らしめしせば 春花の 貴くあらむと 望月の 満しけむと 天の
下 食す国 四方の人の 大船の 思ひ頼みて 天つ水 仰ぎて待つに いかさまに 思ほし
めせか つれもなき 真弓の岡に 宮柱 太敷きいまし みあらかを 高知りまして 朝言
に 御言問はさぬ 日月の 数多くなりぬれ そこ故に 皇子の宮人 ゆくへ知らずも [一
云 さす竹の 皇子の宮人 ゆくへ知らにす]
[仮名],あめつちの,はじめのとき,ひさかたの,あまのかはらに,やほよろづ,ちよろづか
みの,かむつどひ,つどひいまして,かむはかり,はかりしときに,あまてらす,ひるめのみ
こと,[さしのぼる,ひるめのみこと],あめをば,しらしめすと,あしはらの,みづほのくにを
,あめつちの,よりあひのきはみ,しらしめす,かみのみことと,あまくもの,やへかきわき
て,[あまくもの,やへくもわきて],かむくだし,いませまつりし,たかてらす,ひのみこは
,とぶとりの,きよみのみやに,かむながら,ふとしきまして,すめろきの,しきますくにと
,あまのはら,いはとをひらき,かむあがり,あがりいましぬ,[かむのぼり,いましにしかば
],わがおほきみ,みこのみことの,あめのした,しらしめしせば,はるはなの,たふとくあら
むと,もちづきの,たたはしけむと,あめのした,[をすくに],よものひとの,おほぶねの,お
もひたのみて,あまつみづ,あふぎてまつに,いかさまに,おもほしめせか,つれもなき,ま
ゆみのをかに,みやばしら,ふとしきいまし,みあらかを,たかしりまして,あさことに,み
こととはさぬ,ひつきの,まねくなりぬれ,そこゆゑに,みこのみやひと,ゆくへしらずも
,[さすたけの,みこのみやひと,ゆくへしらにす]
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[校異]初時之 → 初時 [金][類][紀]
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[KW],挽歌,作者:柿本人麻呂,草壁皇子,殯宮挽歌,高天原,天武天皇,神話,異伝,推敲,高
市皇子,神話発想