University of Virginia Library

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[題詞]四月三日贈越前判官大伴宿祢池主霍公鳥歌不勝感舊之意述懐一首[并短歌]

[原文]和我勢故等 手携而 暁来者 出立向 暮去者 授放見都追 念<暢> 見奈疑之山尓 八峯尓波 霞多奈婢伎 谿敝尓波 海石榴花咲 宇良悲 春之過者 霍公鳥 伊也之伎喧奴 獨耳 聞婆不怜毛 君与吾 隔而戀流 利波山 飛超去而 明立者 松之狭枝尓 暮去者 向 月而 菖蒲 玉貫麻泥尓 鳴等余米 安寐不令宿 君乎奈夜麻勢
[訓読]我が背子と 手携はりて 明けくれば 出で立ち向ひ 夕されば 振り放け見つつ 思ひ延べ 見なぎし山に 八つ峰には 霞たなびき 谷辺には 椿花咲き うら悲し 春し 過ぐれば 霍公鳥 いやしき鳴きぬ 独りのみ 聞けば寂しも 君と我れと 隔てて恋ふる 砺波山 飛び越え行きて 明け立たば 松のさ枝に 夕さらば 月に向ひて あやめぐさ 玉貫くまでに 鳴き響め 安寐寝しめず 君を悩ませ
[仮名],わがせこと,てたづさはりて,あけくれば,いでたちむかひ,ゆふされば,ふりさけ みつつ,おもひのべ,みなぎしやまに,やつをには,かすみたなびき,たにへには,つばきは なさき,うらがなし,はるしすぐれば,ほととぎす,いやしきなきぬ,ひとりのみ,きけばさ ぶしも,きみとあれと,へだててこふる,となみやま,とびこえゆきて,あけたたば,まつの さえだに,ゆふさらば,つきにむかひて,あやめぐさ,たまぬくまでに,なきとよめ,やすい ねしめず,きみをなやませ
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[左注]
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[校異]鴨 → 暢 [元][類]
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[KW],天平勝宝2年4月3日,年紀,作者:大伴家持,贈答,大伴池主,動物,植物,恋情,戯 笑,懐旧,高岡,富山