University of Virginia Library

3303

[題詞]

[原文]里人之 吾丹告樂 <汝>戀 愛妻者 黄葉之 散乱有 神名火之 此山邊柄 [或本云 彼山邊] 烏玉之 黒馬尓乗而 河瀬乎 七湍渡而 裏觸而 妻者會登 人曽告鶴
[訓読]里人の 我れに告ぐらく 汝が恋ふる うつくし夫は 黄葉の 散り乱ひたる 神な びの この山辺から [或本云 その山辺] ぬばたまの 黒馬に乗りて 川の瀬を 七瀬渡り て うらぶれて 夫は逢ひきと 人ぞ告げつる
[仮名],さとびとの,あれにつぐらく,ながこふる,うつくしづまは,もみちばの,ちりまが ひたる,かむなびの,このやまへから,[そのやまへ],ぬばたまの,くろまにのりて,かはのせ を,ななせわたりて,うらぶれて,つまはあひきと,ひとぞつげつる
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[左注](右二首)
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機・[元][天][類]
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恋情,枕詞