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蒼馬を見たり (Aouma o mitari)
1.
自序
2.
蒼馬を見たり
3.
赤いマリ
4.
ランタンの蔭
5.
お釋迦樣
6.
歸郷
7.
苦しい唄
8.
疲れた心
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蒼馬を見たり (Aouma o mitari)
歸郷
古里の山や海を眺めて泣く私です
久々で訪れた古里の家
昔々子供の飯事に
私のオムコサンになつた子供は
小さな村いつぱいに
ツチ
の音をたてゝ
大きな風呂桶に
タガ
を入れてゐる
もう大木のやうな若者だ。
崩れた土橋の上で
小指をつないだかのひとは
誰も知らない國へ行つてゐるつてことだが。
小高い蜜柑山の上から海を眺めて
オーイと呼んでみようか
村の人が村のお友達が
みんなオーイと集つて來るでせう。
蒼馬を見たり (Aouma o mitari)