University of Virginia Library

疲れた心

その夜――
カフエーのテーブルの上に
盛花のやうな顏が泣いた
何のその
樹の上にカラスが鳴かうとて
夜は辛い――
兩手に盛られた
わたしの顏は
みどり色の白粉に疲れ
十二時の針をひつぱつてゐた。