University of Virginia Library

その家のありさまよのつねにも似ず。廣さはわづかに方丈、高さ は七尺が内なり。所をおもひ定めざるがゆゑに、地をしめて造ら ず。土居をくみ、うちおほひをふきて、つぎめごとにかけがねを かけたり。もし心にかなはぬことあらば、やすく外へうつさむが ためなり。そのあらため造るとき、いくばくのわづらひかある。 積むところわづかに二輌なり。車の力をむくゆるほかは、更に他 の用途いらず。