万葉集 (Manyoshu) | ||
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[題詞]庭中花作歌一首[并短歌]
[原文]於保支見能 等保能美可等々 末支太末不 官乃末尓末 美由支布流 古之尓久多
利来 安良多末能 等之<乃>五年 之吉多倍乃 手枕末可受 比毛等可須 末呂宿乎須礼波
移夫勢美等 情奈具左尓 奈泥之故乎 屋戸尓末<枳>於保之 夏能<々> 佐由利比伎宇恵
天 開花乎 移<弖>見流其等尓 那泥之古我 曽乃波奈豆末尓 左由理花 由利母安波無等
奈具佐無流 許己呂之奈久波 安末射可流 比奈尓一日毛 安流部久母安礼也
[訓読]大君の 遠の朝廷と 任きたまふ 官のまにま み雪降る 越に下り来 あらたまの
年の五年 敷栲の 手枕まかず 紐解かず 丸寝をすれば いぶせみと 心なぐさに なで
しこを 宿に蒔き生ほし 夏の野の さ百合引き植ゑて 咲く花を 出で見るごとに なで
しこが その花妻に さ百合花 ゆりも逢はむと 慰むる 心しなくは 天離る 鄙に一日
も あるべくもあれや
[仮名],おほきみの,とほのみかどと,まきたまふ,つかさのまにま,みゆきふる,こしにく
だりき,あらたまの,としのいつとせ,しきたへの,たまくらまかず,ひもとかず,まろねを
すれば,いぶせみと,こころなぐさに,なでしこを,やどにまきおほし,なつののの,さゆり
ひきうゑて,さくはなを,いでみるごとに,なでしこが,そのはなづまに,さゆりばな,ゆり
もあはむと,なぐさむる,こころしなくは,あまざかる,ひなにひとひも,あるべくもあれ
や
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