University of Virginia Library

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[題詞]

[原文]霹靂之 日香天之 九月乃 <鍾>礼乃落者 鴈音文 未来鳴 甘南備乃 清三田屋乃 垣津田乃 池之堤<之> 百不足 <五十>槻枝丹 水枝指 秋赤葉 真割持 小鈴<文>由良尓 手弱女尓 吾者有友 引攀而 峯文十遠仁 に手折 吾者持而徃 公之頭刺荷
[訓読]かむとけの 日香空の 九月の しぐれの降れば 雁がねも いまだ来鳴かぬ 神な びの 清き御田屋の 垣つ田の 池の堤の 百足らず 斎槻の枝に 瑞枝さす 秋の黄葉 ま き持てる 小鈴もゆらに 手弱女に 我れはあれども 引き攀ぢて 枝もとををに ふさ手 折り 我は持ちて行く 君がかざしに
[仮名],かむとけの,**そらの,ながつきの,しぐれのふれば,かりがねも,いまだきなかぬ ,かむなびの,きよきみたやの,かきつたの,いけのつつみの,ももたらず,いつきのえだに ,みづえさす,あきのもみちば,まきもてる,をすずもゆらに,たわやめに,われはあれども ,ひきよぢて,えだもとををに,ふさたをり,わはもちてゆく,きみがかざしに
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[左注](右二首)
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[天][類][紀] / <> → 之 [西(左書)][元][天][類] / く → 五十 [万葉考] / 父 → 文 [元][天][紀]
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神祭り,寿歌,秋,植物,宴席,三輪山,地名