University of Virginia Library

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[題詞]八年丙子夏六月幸于芳野離宮之時山<邊>宿祢赤人應詔作歌一首[并短歌]

[原文]八隅知之 我大王之 見給 芳野宮者 山高 雲曽軽引 河速弥 湍之聲曽清寸 神佐 備而 見者貴久 宜名倍 見者清之 此山<乃> 盡者耳社 此河乃 絶者耳社 百師紀能 大 宮所 止時裳有目
[訓読]やすみしし 我が大君の 見したまふ 吉野の宮は 山高み 雲ぞたなびく 川早み 瀬の音ぞ清き 神さびて 見れば貴く よろしなへ 見ればさやけし この山の 尽きば のみこそ この川の 絶えばのみこそ ももしきの 大宮所 やむ時もあらめ
[仮名],やすみしし,わがおほきみの,めしたまふ,よしののみやは,やまたかみ,くもぞた なびく,かははやみ,せのおとぞきよき,かむさびて,みればたふとき,よろしなへ,みれば さやけし,このやまの,つきばのみこそ,このかはの,たえばのみこそ,ももしきの,おほみ やところ,やむときもあらめ
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[左注]
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[校異]部 → 邊 [元][類][紀] / 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 / 短歌 [西] 短謌 [西(訂正)] 短哥 / 久 (楓) 之 / 之 → 乃 [元][類][紀]
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[KW],雑歌,作者:山部赤人,行幸,従駕,応詔,吉野,離宮,宮廷讃美,天平8年6月,年紀,地 名