万葉集 (Manyoshu) | ||
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[題詞](讃久邇新京歌二首[并短歌])
[原文]吾皇 神乃命乃 高所知 布當乃宮者 百樹成 山者木高之 落多藝都 湍音毛清之
鴬乃 来鳴春部者 巌者 山下耀 錦成 花咲乎呼里 左<壮>鹿乃 妻呼秋者 天霧合 之具
礼乎疾 狭丹頬歴 黄葉散乍 八千年尓 安礼衝之乍 天下 所知食跡 百代尓母 不可易
大宮處
[訓読]吾が大君 神の命の 高知らす 布当の宮は 百木盛り 山は木高し 落ちたぎつ
瀬の音も清し 鴬の 来鳴く春へは 巌には 山下光り 錦なす 花咲きををり さを鹿の
妻呼ぶ秋は 天霧らふ しぐれをいたみ さ丹つらふ 黄葉散りつつ 八千年に 生れ付か
しつつ 天の下 知らしめさむと 百代にも 変るましじき 大宮所
[仮名],わがおほきみ,かみのみことの,たかしらす,ふたぎのみやは,ももきもり,やまは
こだかし,おちたぎつ,せのおともきよし,うぐひすの,きなくはるへは,いはほには,やま
したひかり,にしきなす,はなさきををり,さをしかの,つまよぶあきは,あまぎらふ,しぐ
れをいたみ,さにつらふ,もみちちりつつ,やちとせに,あれつかしつつ,あめのした,しら
しめさむと,ももよにも,かはるましじき,おほみやところ
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