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[題詞]十六年甲申春二月安積皇子薨之時内舎人大伴宿祢家持作歌六首
[原文]<挂>巻母 綾尓恐之 言巻毛 齊忌志伎可物 吾王 御子乃命 萬代尓 食賜麻思 大
日本 久邇乃京者 打靡 春去奴礼婆 山邊尓波 花咲乎為里 河湍尓波 年魚小狭走 弥日
異 榮時尓 逆言之 狂言登加聞 白細尓 舎人装束而 和豆香山 御輿立之而 久堅乃 天
所知奴礼 展轉 O打雖泣 将為須便毛奈思
[訓読]かけまくも あやに畏し 言はまくも ゆゆしきかも 我が大君 皇子の命 万代に
見したまはまし 大日本 久迩の都は うち靡く 春さりぬれば 山辺には 花咲きをを
り 川瀬には 鮎子さ走り いや日異に 栄ゆる時に およづれの たはこととかも 白栲
に 舎人よそひて 和束山 御輿立たして ひさかたの 天知らしぬれ 臥いまろび ひづ
ち泣けども 為むすべもなし
[仮名],かけまくも,あやにかしこし,いはまくも,ゆゆしきかも,わがおほきみ,みこのみ
こと,よろづよに,めしたまはまし,おほやまと,くにのみやこは,うちなびく,はるさりぬ
れば,やまへには,はなさきををり,かはせには,あゆこさばしり,いやひけに,さかゆると
きに,およづれの,たはこととかも,しろたへに,とねりよそひて,わづかやま,みこしたた
して,ひさかたの,あめしらしぬれ,こいまろび,ひづちなけども,せむすべもなし
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