万葉集 (Manyoshu) | ||
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[題詞]山部宿祢赤人至伊豫温泉作歌一首[并短歌]
[原文]皇神祖之 神乃御言<乃> 敷座 國之盡 湯者霜 左波尓雖在 嶋山之 宣國跡 極此
<疑> 伊豫能高嶺乃 射狭庭乃 崗尓立而 歌思 辞思為師 三湯之上乃 樹村乎見者 臣木
毛 生継尓家里 鳴鳥之 音毛不更 遐代尓 神左備将徃 行幸處
[訓読]すめろきの 神の命の 敷きませる 国のことごと 湯はしも さはにあれども 島
山の 宣しき国と こごしかも 伊予の高嶺の 射狭庭の 岡に立たして 歌思ひ 辞思は
しし み湯の上の 木群を見れば 臣の木も 生ひ継ぎにけり 鳴く鳥の 声も変らず 遠
き代に 神さびゆかむ 幸しところ
[仮名],すめろきの,かみのみことの,しきませる,くにのことごと,ゆはしも,さはにあれ
ども,しまやまの,よろしきくにと,こごしかも,いよのたかねの,いざにはの,をかにたた
して,うたおもひ,ことおもはしし,みゆのうへの,こむらをみれば,おみのきも,おひつぎ
にけり,なくとりの,こゑもかはらず,とほきよに,かむさびゆかむ,いでましところ
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