University of Virginia Library

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[題詞]大伴坂上郎女祭神歌一首[并短歌]

[原文]久堅之 天原従 生来 神之命 奥山乃 賢木之枝尓 白香付 木綿取付而 齊戸乎 忌穿居 竹玉乎 繁尓貫垂 十六自物 膝折伏 手弱女之 押日取懸 如此谷裳 吾者<祈>奈 牟 君尓不相可聞
[訓読]ひさかたの 天の原より 生れ来る 神の命 奥山の 賢木の枝に しらか付け 木 綿取り付けて 斎瓮を 斎ひ掘り据ゑ 竹玉を 繁に貫き垂れ 獣じもの 膝折り伏して たわや女の 襲取り懸け かくだにも 我れは祈ひなむ 君に逢はじかも
[仮名],ひさかたの,あまのはらより,あれきたる,かみのみこと,おくやまの,さかきのえ だに,しらかつけ,ゆふとりつけて,いはひへを,いはひほりすゑ,たかたまを,しじにぬき たれ,ししじもの,ひざをりふして,たわやめの,おすひとりかけ,かくだにも,あれはこひ なむ,きみにあはじかも
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[左注]
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[校異]歌 [西] 謌 [西(右書)] 歌 / 短歌 [西] 短謌 / 折 → 祈 [紀]
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[KW],雑歌,作者:坂上郎女,奈良,神祭,枕詞,恋情,地名