万葉集 (Manyoshu) | ||
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[題詞]山部宿祢赤人登春日野作歌一首[并短歌]
[原文]春日乎 春日山乃 高座之 御笠乃山尓 朝不離 雲居多奈引 容鳥能 間無數鳴 雲
居奈須 心射左欲比 其鳥乃 片戀耳二 晝者毛 日之盡 夜者毛 夜之盡 立而居而 念曽
吾為流 不相兒故荷
[訓読]春日を 春日の山の 高座の 御笠の山に 朝さらず 雲居たなびき 貌鳥の 間な
くしば鳴く 雲居なす 心いさよひ その鳥の 片恋のみに 昼はも 日のことごと 夜は
も 夜のことごと 立ちて居て 思ひぞ我がする 逢はぬ子故に
[仮名],はるひを,かすがのやまの,たかくらの,みかさのやまに,あささらず,くもゐたな
びき,かほどりの,まなくしばなく,くもゐなす,こころいさよひ,そのとりの,かたこひの
みに,ひるはも,ひのことごと,よるはも,よのことごと,たちてゐて,おもひぞわがする,あ
はぬこゆゑに
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